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2008年05月10日
■ 「不貞行為」とは、民法第770条第1項第1号に定められている離婚原因(法定離婚原因)の一つを示す法律用語である。
「不貞行為」があった時
悪意で遺棄された場合
3年以上の生死不明
回復の見込みのない強度の精神病
その他、婚姻を継続しがたい重大な事由のある時
裁判で離婚が認められるためには、上記5項目のうち、どれかの理由が必要となる。
原則として、法定離婚原因のどれか一つでも立証されれば、裁判で離婚を命ずる判決が下りることになる。
不貞を理由とする離婚判決では、慰謝料の支払いが命じられる場合がほとんどで、また、離婚しないで不貞行為に対する慰謝料だけを請求することも可能になる。
■ 性行為・肉体関係は全て不貞行為?
一般に不貞行為とは、一夫一婦制の貞操義務に忠実でない一切の行為を含むとされている。
但し、裁判では限定的に「配偶者のある者が、自由意思で配偶者以外の異性と肉体関係を結ぶこと」だと言われる。
この定義によると、同性愛の関係は不貞行為とならないのだが、同性愛は法定離婚原因である「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法第770条第1項第5号)にあたるので、離婚は認められるでしょう。
なお、児童福祉法や各自治体の制定している青少年保護条例で禁じられている18歳未満の者との淫行には、異性愛だけでなく、同性愛、またセックス以外の性交類似行為(手淫など)も含まれる。
夫が他の女性を強姦した場合、妻に対する不貞行為になるが、妻が暴漢に襲われて強姦された場合は自由な意思によるものでなく、不貞や不倫行為にはならない。
裁判では通常、1回限りの不貞行為の証拠を立証しただけでは、不貞行為を理由とする離婚は認められない。
継続的・反復的な不貞行為の存在を立証しなければならないとされている。
不貞行為が立証されても、裁判所は「一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認める」ときは、離婚請求を棄却できる(民法第770条第2項)ので、 1回ぐらいの不貞行為では、これによって夫婦関係が完全に破綻したとは言えないからである。
一度だけの不貞行為が原因で裁判所が、離婚を認めた例はなく、裁判での原因として認められる不貞行為とは、ある程度継続的で肉体関係を伴う男女の不倫関係を指すと考えられる。
離婚原因としての「不貞」は、その為に「婚姻関係を破綻させたかどうか」が重視されるので、肉体関係があったことをうかがわせるラブホテルに二人で入る際の写真、無断外泊の証拠、愛人へのプレゼントの領収証、ラブレターやメール履歴・・・など、可能な限りたくさんの証拠を集めて継続性のある不貞行為の存在を立証しなければ、不貞行為を理由とする離婚は裁判所では認められないのだ。
もちろん、不貞行為が1回しか立証できなくても、その他の事情によって夫婦関係の修復の見込みがないことが明らかであれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」が認定されて、離婚判決が下りる可能性は充分にありえるのだが。
しかし、夫婦が破綻する際には、お互いに問題点があることが多く、「婚姻を継続し難い重大な事由」による離婚の場合、不貞行為のように責任の所在が明確にならないことが多いため、慰謝料の額も低くなる傾向がある。
■ 体の関係は無くても不貞行為?
肉体関係の無い関係の場合、「純愛」として不倫に含まれると思われがちだが、法律上の不貞行為にはなりません。
出来心でキスしてしまったというくらいの関係も同様。
男性が慢性的に勃起不能であることを医師の診断書を提出して証明すれば、ホテルに入ったシーンの写真を撮られていても、肉体関係がなかったことを証明できるので、不貞行為の存在は否定できるだろう。
ただし、異性と常習的にキスしていたり、挿入を伴わない性的な行為を目的にホテルに通っていたりするならば、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとして裁判で離婚が認められるだろうし、不貞行為による離婚の慰謝料に近い額の支払いが命じられるだろう。
